カオスがミミズを生みました。
台湾の中央研究院(AS)で行われた研究によって、数億年前に海から陸へ進出する過程で、ミミズたちの染色体上の遺伝子たちが、落としてしまったお弁当の中身のように、ほぼデタラメにシャッフルされていたことが発見されました。
研究者たちは「これまでに調査された動物のなかで、ミミズのゲノムは最も混乱している」と述べています。
進化の過程でミミズたちの身に何が起きていたのでしょうか?
研究内容の詳細は2024年8月14日に『Molecular Biology and Evolution』にて公開されました。
目次
- あらゆる種でみられる生命現象もミミズでは通用しない
- ミミズのゲノムはまるで落ちた「お弁当」のようになっている
あらゆる種でみられる生命現象もミミズでは通用しない
ミミズは、落ち葉や枯草を分解することで豊かな土壌を作り上げる手助けをしてくれます。
ミミズに似た生物は海や淡水にも生息しており、このニョロニョロした生物たちは一つの大きなグループ(環形動物門)に属しています。
たとえば海に生息するゴカイや淡水域に生息するヒルなども、ミミズの仲間として知られています。
しかし新たな研究では、私たちにとって身近な陸上のミミズたちのゲノムが、祖先の海洋生物と比べて完全にごちゃまぜになっていることが発見されました。
これまで様々な生物のゲノムが分析されてきましたが、先祖のゲノムセットがここまでかく乱された生物は確認されていません。