おいしいコーヒーが、2050年には飲めなくなってしまうかもしれない問題を知っていますか?

タリーズコーヒージャパン株式会社 (以下、タリーズコーヒー)は9月4日、「TULLY’S COFFEE」のブランド方針発表会をメディア関係者向けに開催。「コーヒー2050年問題」の解決に向けた取り組みや、コーヒー豆のこだわりに関する新施策などを発表しました。

コーヒーの「2050年問題」とは?

コーヒーの2050年問題とは、気候変動などの影響によって、世界で流通量の6割を占めているという「アラビカ種」の栽培に適した土地が、このままの状態が続くと2050年には半減してしまう可能性が高いことだといいます。

「アラビカ種」は、三大原種と呼ばれる品種の1つ。高品質で味のバランスが良く、風味や香りに優れているとのことです。しかし、コーヒーの大敵だという「サビ病」に弱く、育てるのが難しいことから、手間がかかる品種でもあるそうです。

特に、「アラビカ種」の一種である「ティピカ」は、現在商業生産されているコーヒー品種のなかで最も原種に近いとされていますが、ほぼ全滅状態。商業的に残っている地域であるペルーとパプアニューギニアは「最後の楽園」ともいわれているそうです。

タリーズコーヒーは、これらの現状と予測から、おいしいコーヒーが2050年には飲めなくなる可能性があると指摘しています。

タリーズが取り組む「接ぎ木プロジェクト」

この状況の改善に向け、タリーズコーヒーがペルーの現地農協と共同で進めているという「接ぎ木プロジェクト」は、絶滅寸前のアラビカ種である「ティピカ」を保護することを目的としているとのこと。

病虫害に強いリベリカ種の根にティピカ種を接ぎ木として栽培する方法を採用することで、コーヒーの多様性を守るだけではなく、農家は病虫害に強いコーヒーを安定して栽培できることから、収入の向上が期待されるとのことです。これが、地域農家の持続可能な発展にも繋がるといいます。