そこでパス数が多いチームはそれだけ得点も多いという仮説を立て、パスと得点の相関関係を検証した。その結果、直近の3シーズンで正の相関を確認することができた。つまり「ゴールが多いチームほどパスが多くなる」ということである。「相関関係」は一方が変化するともう一方も変化する状態を指すだけであり、それだけで2つの事象に因果関係があると判断できるものではない。そのため両記録を結びつけることは難しいが、複数のシーズンで同じ傾向があった。
しかしながら前述の通り今季サウサンプトンのゴール数はわずかに1で、現時点ではこれまでのシーズンの特徴から外れることになる。シュート数は「42」でリーグ7位と決して少ないわけではないが、決定機逸は「5」で10位となっており、それほど多いというわけでもない。しかし一方で、比較的低い値を示していたのが「シュート正確性」だった。枠内シュート率「29%」はウェストハム・ユナイテッド、エバートンに次ぐワースト3位である。しかしウェストハムは「19%」で断トツの最下位だが、4ゴールを記録している。
繰り返しになるが、今シーズンはまだ始まったばかりで今後いかようにも変化があり得る。まずサウサンプトンに求められるのは枠内に飛ばすシュートとそれに伴うゴールだ。連続したシーズンで確認できたパスと得点の関係性について傾向をなぞり、最低でもプレミア残留を決めてもらいたいと願うファンは少なくないだろう。