菅原の攻守における健闘は確認できたが、今シーズンは昇格組としてプレミアリーグを戦うサウサンプトンは未だ勝利が無い。総得点もわずか1点に留まり、3戦全敗で勝ち点はゼロ。勝ち点ゼロはエバートン(現20位)も同じ状況だが、得失点差でサウサンプトンが降格圏内の19位となっている。
1年振りに戻ってきたプレミアリーグでは苦戦を強いられるということなのか。チームの現状をスタッツで確認すると気になる項目があった。サウサンプトンは第3節終了時点でマンチェスター・シティ(現1位)に次ぐパス数を記録している。1試合の平均パス数は「642」で、毎試合600本を超えている。この「600」という数字は、現時点での記録であり試合ごとに変化する前提ではあるが、実は驚異的な数である。
上位チームと並ぶパス数が示すものとは
昨シーズン、平均600本を超えるパス数を記録したのはシティとブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンのわずか2チーム。一昨年はシティのみ、2021/22シーズンまで遡るとシティとリバプール、チェルシーの3チームだった。このことから、この数字は限られたチームだけが記録できる数値であることがわかる。
第1節のニューカッスル・ユナイテッド戦では、前半に退場者が出たため1人多いサウサンプトンの方が比較的パスを多く試行しやすい環境だったといえる。しかし、退場者が出なかった第2節以降も600本越えをマークし続けており、マーティン監督が多くのパスをつなぐスタイルを貫いていることがうかがえた。
パス数が多いことはボール保持時間の長さにつながる。シュートまで完結させることを意図しているとすれば、シュートを多く打つための手段としてパスを使っていると考えられる。シュートを打つ目的はゴールであり、多くのパスをつなぐチームは相手ゴールに迫るシーンが多いと推測される。