だいたい「日本は解雇規制が厳しい」なんて言われてますけど、これは「解雇を規制する法律がガチガチに固められていて、解雇したら即ペナルティが課せられる」といった意味じゃありません。「解雇自体はできるが、もしそれが裁判になった場合、解雇無効と判断されるケースが多いため、実質的には解雇が困難」という表現がより正確でしょう。
なので、裁判すれば労働者が有利なのは間違いないんですが、そもそも裁判するにも相当の弁護士費用と肉体的&精神的エネルギーが必要なので、まず裁判にまで至りません(ちなみに令和3年の1年間では、クビにまつわる労働局・労基署の相談件数が約3万3000件あったものの、そこから実際に裁判に至ったのは1000件程度です)。
しかも、裁判にはかなりの時間を要するので、結局判決にまで至らず、和解で終わることも多いです。
解雇の金銭解決制度を導入できれば、そこで要する余計な時間と、弁護士費用と、肉体的&精神的エネルギーを全部省略して、サッサと「解決金」に変えることができるので、実は労働者側にも企業側にもメリットのある制度なんですよね。
不当解雇裁判が減って食えなくなる一部の弁護士さんとかは大反対すると思いますけど。
(編集部より)この記事は、新田 龍@nittaryoのポストを、許可をいただいた上で転載いたしました。