GMBユニオンによると、アマゾンは多くの労働者を新規に採用することで、「50パーセント以上」が容易に達成できないようにしたそうです。妨害行為ともいえるでしょう。6月18日、労組承認の申請に対し、CACは従業員による投票を求めました。

7月8日、投票が始まりました。

労組結成のためには、結成の賛成票が投票数の過半数で、かつ全従業員の40パーセント以上であることなどの必須事項がありますが、これらを満たして結成が実現すれば、英国初のアマゾン公認の労組になるのです。

アマゾン社は労働条件について労働組合ではなく、従業員個人と直接交渉する立場を取ってきました。

BBCの取材に対し、広報担当者は「従業員には労組に参加するかどうかを決める選択肢がある」とし、賃金についても定期的に見直していると述べています。

また、「最低賃金は時給12.30ポンド(約2500円)から13ポンドに上昇し、これは過去2年では20パーセントの上昇、2018年時点からは50パーセントの上昇だ」と説明。「手当ては厚く、前向きな職場環境や素晴らしいキャリアの機会が与えられている」とも言っています(ちなみに、「時給2500円」と聞いて、日本に住む方は驚かれるかもしれませんが、英国はとても物価が高いのです)。

6月末、米アマゾンの時価総額は2兆ドル(約320兆円)を超えたことが発表されました。世界6社目の2兆ドル企業の仲間入りです。創業者ジェフ・ベゾスの資産は約2010億ドルにも上るといわれています。

便利なサービスを提供するアマゾンですが、労組という形での団体交渉を容易に認めないのであれば、従業員の労働条件の改善に消極的な印象を与えます。

投票の結果、どうなった?

7月17日、投票の結果が出ました。

アマゾン従業員の49.5パーセントが労組結成に賛成票を投じたのですが、50.5パーセントは反対に。

英アマゾン社は声明文で従業員と「直接話し合うことに大きな価値を置いている」、今後もこれを継続していきたいと述べています。