大手コンビニエンスストアチェーン・セブン-イレブンは、2017年に撤退したレジ横でのドーナツ販売を7年ぶりに手掛ける。本日3日から首都圏の約5000店舗で販売を開始した。なぜセブンはレジ横ドーナツに再挑戦するのか。そして、店内で調理した揚げたてドーナツのクオリティはどう評価されるのか。業界関係者の見解を交えて追ってみたい。

 過去にセブン-イレブンが全国の店舗でドーナツの販売を本格的に始めたのは2015年のことだった。「セブンカフェドーナツ」というシリーズ名で、首都圏では「チョコオールドファッション」「ふんわりリング」「ダブルチョコレート」「もちもちスイートリング」「いちごチョコオールドファッション」「ホイップ」などが揃えられていた。

 コンビニ最大手の動きに追随するかたちでファミリーマート、ローソンなどもドーナツ販売に力を入れ、ドーナツ専門チェーンの「ミスタードーナツ」「クリスピー・クリーム・ドーナツ」にとって脅威になるとも予想されたが、蓋を開けてみればセブンは17年にはレジ横での販売から撤退し、その後はパン類の陳列棚に袋入りのドーナツを並べる形態に変更。一方、ミスタードーナツは一時期の低迷から復活し、現在の業績(運営元のダスキンのフードグループ)は好調だ。

「セブンは13年にレジ横に設置した専用マシンで入れたてコーヒーを提供する『セブンカフェ』を開始し、これが大ヒットした。この戦略の延長線上で、コーヒーのお供にドーナツを買わせることを狙った。開始当初はそこそこ売れたものの、肝心のドーナツがこれといって特徴のない商品だったため、徐々に売れなくなった上にレジ横の専用陳列ボックスが非常にスペースを食うし商品の補充が面倒ということで店舗からは不評で、撤退に追い込まれた」(コンビニチェーン関係者)

なぜ今、再びドーナツなのか

 今回セブンがレジ横ドーナツとして発売したのは以下の3商品。

・お店で揚げたドーナツ(メープル):140円
 「メープル風味のドーナツを、もっちりふんわり仕上げました」(セブン公式サイトより)

・同(チョコ):160円
 「チョコレート味のドーナツを、もっちりふんわり仕上げました」(同)

・同(カスタード):160円
 「ふんわり食感の生地で、なめらかなカスタードを包んだドーナツです」(同)

 いずれも、購入時に受け取るグラニュー糖を袋に入れてシャカシャカと振ってまぶして食べるのが特徴だ。工場から店舗に冷凍された状態で商品が搬送され、店舗内で揚げて専用ボックスに陳列する。

 今回、セブンがレジ横ドーナツに再参入する理由について、コンビニチェーン関係者はいう。

「2年前から販売している店内で調理する揚げたてカレーパンが一定の人気を維持しており、製造と店舗への搬送についてカレーパンと同じラインを使うのではないかとみられてる。前回のレジ横ドーナツは工場で製造したものをそのまま販売する形態だったのに対し、今回は店内で揚げる“生ドーナツ”を謳っているが、なぜ今、再びドーナツなのか。その意図や理由はいまいちわからない」