最大の課題はNext One

 そして今後の最大の課題は、ジブリならではの作品の制作だ。スタジオジブリの社長に日テレの役員が就任した以上、日テレの制作力も動員した新しい映画製作が視野に入っているはずだ。ただし宮崎駿監督の作風や哲学と日テレのやり方は当然違う。そこで軋轢が生じてなかなか前に進めないとなると、両者のコラボが活かせずに終わってしまう。それでも83歳の宮崎監督が今後何本も新たな作品を生み出すのは難しいはずだ。ここは新たな才能を見いだし、いかにジブリ初期の頃のように10年で10作近い映画をつくれるかだろう。

 その際に、新たな視点も求められる。優れた映画を作ることは当然だが、今後はそれ以外への配慮と努力が重要になってくる。宮崎監督は以下の「映画つくり三原則」を掲げている。

「おもしろいこと」
「作るに値すること」
「お金が儲かること」

 言い換えれば、娯楽性・普遍性・事業性だ。この事業性は今後、視聴者の届けるインフラが多様化し、視聴形態も変わってきた以上、新しいテクノロジーも動員して多様、多数の人々の興味・ニーズに合うプレゼンができるか否かで明暗が分かれる。聞くところによると、宮崎監督はデジタルを快く思っていないようだ。しかしここを乗り越えないと、“日テレ×ジブリ”の積算効果は発揮できない。ジブリアニメの新たな地平が拓かれんことを願ってやまない。

(協力=鈴木祐司/次世代メディア研究所代表)

提供元・Business Journal

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