■年間の「事故件数」に驚き

続いては警視庁広報を経由し、青梅警察署の担当者から近隣の交通事情について話を聞いてみる。

だが残念ながら、同署からも「同看板に関する詳細な設置日や設置に至る経緯等がわかる資料がなく、詳しいことは分かりませんでした」との回答が。

しかし「青梅署は現在においても、道路を整備・管轄する西多摩建設事務所と協力し、道路形状に起伏のある奥多摩周遊道路への安全対策に取組んでおります」「昭和59年当時、西多摩建設事務所と連名で注意喚起の看板を作成・設置したものであることは間違いなく、改修などを経て、現在に至っています」とのコメントも得られており、「交通事故を無くしたい」という思いは、40年前から一切ブレていない。

過去数年の交通事故件数を確認したところ、2016年(平成28年)は55件、17年は58件、18年は87件。令和に入って2019年は51件、20年は66件、21年は61件、22年は74件、23年は63件、そして今年は1〜6月の時点で31件と判明。上記期間内の「交通死亡事故」については、22年と23年2件のみだという。

やはり交通事故の起こりやすいエリアのようで、担当者は資料を確認しながら「全体の7割が『二輪車の事故』となっており、発生割合は毎年ほぼ同じであることが分かります」と分析。

そして「看板設置当時の事故件数が分からないことから、増減に関しては不明ですが…」と前置きしつつ、「当署や第九方面交通機動隊等が、特に行楽期に奥多摩を訪れるドライバー等に対し、パトカーや白バイによる速度抑制対策や速度取締まり、また二輪車キャンペーン等、交通安全対策に真摯に取り組んだ結果、交通事故抑止の成果が現れていると言えます」と、現地での努力について振り返っていた。

西多摩建設事務所も同様に、道路環境の整備やパトロール活動等に大きな尽力を注いでおり、双方の努力があっての結果と言えるだろう。

青梅警察署の担当者からは「現在、今回話題となったドライバーの視覚・心理に訴える注意喚起の看板やポスターの設置にも力を入れ、死亡事故現場、事故多発地点に看板・献花(造花)等を設置する取組みを行っており、本年は(7月の取材時点で)、死亡事故の発生はありません」「引き続き、物理的な視点からも交通事故抑止に繋げて参りますので、ご協力をよろしくお願いいたします」とのコメントも得られた。

道路で遭遇した警告、恐ろしすぎる1文にゾッとした 「事故ったらヤバい」とネット民驚愕
(画像=『Sirabee』より引用)

「注意一秒、怪我一生」という言葉が意味するように、事故が起こるのは一瞬だが、怪我の苦しみは長きにわたって続くもの。件の看板は「病院まで約2時間」という具体的な、イメージしやすい数値が使用されたことで、その恐ろしさが強調されたのだろう。

くれぐれも「安全運転」を心がけてほしい。