台風10号は、よくも、ここまで進路予想がはずれるものだと言わざるを得ないほどひどいものだった。先週は火曜日から金曜日にかけて、カタールからの訪問団を受け入れる予定だったので、台風の進路予想を眺めながら、ハラハラドキドキしていた。

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台風10号の発生当時、ほぼ北に向かって進む予想だったし、先週の前半にも東海から関西に上陸するとのことだった。その予想は刻々と変わり、名古屋方面に向かう予想が、大阪方面に変わり、そして、岡山方面に変わった。しかし、当初の予想では、東京で過ごしたあとのカタール訪問団が新幹線で大阪に向かう頃に東海から大阪方面のどこかでぶちあたってしまう。

カタールの友人と連絡を取り合いながら、頭の中で、プランA・プランB・プランCといろいろな状況を想定して対応を考える。そんな中、進路予想は大きく西にずれ、九州近海で停滞するという。後付けの理由として、西に寒冷渦があるとか、偏西風が南下しない・・・・・・と言い出す。偏西風がいつもより北方向にあったのは分かっていたことだ。

予想はこれまでの経験に基づいてしているが、温暖化していろいろな条件が違うので、予測が難しいという。世界最高スピードの計算資機源を利用して予測できるはずだったのは幻だったのか?これまでの情報をデータベース化して、一番類似のパターンを探すだけなら、普通のパソコンでもできることだと思う。温暖化というなら、現在の条件に近い地域のハリケーン・サイクロンなど含め世界中の情報を集めて分析できないものなのか。

特に、偏西風の影響を受けにくい条件など、急に生じたことではないはずだ。予測によって、キャンセルなどが相次ぎ、観光産業など大きな被害を受けた。大動脈の新幹線の運休も大打撃だ。前もって台風に対する準備を促し、大きな被害を防ぐためには予測が必要なのは間違いないが、それにはある程度正しい予測ができればといった前提がある。