感染者の6割が子ども・若年層だというブルンジ

地域全体でもっとも多くの感染が報告されたというブルンジでは、8月20日時点で49地域のうち26地域で170例の感染を確認。その罹患者は20歳未満の子どもと若者が60%近くを占め、5歳未満の子どもは21%に及ぶそうです。

また、はしかの集団感染も同時に発生しているといい、子どもたちへの危険が高まっている状況だと伝えられています。

検査キットや医薬品の不足、地域住民の認識の低さ、高額な運営コスト、必須保健医療サービスの中断リスクなど、複数の課題に直面し、早急な対応が行えていない状況だといいます。

複合的な危機に見舞われるアフリカ諸国

疾病の直接的な影響だけでなく、エムポックスの集団感染による「偏見」「差別」「学校教育・学習の中断」といった二次的な影響をユニセフは危惧しています。

また、ケニア・ブルンジ・ウガンダでは、干ばつや洪水などの非常事態が発生しているようです。

ユニセフの東部・南部アフリカ地域事務所代表のエトレバ・カディリ氏は「子どもたちの保護とウェルビーイングを担保するために、全力を尽くしリソースを集中させることが求められています」と述べています。

人道団体や保健機関が支援を

ユニセフは、WHOらと協力して地元コミュニティの支援など、エムポックスの集団感染の対応に尽力しているといい、1,650万米ドルの資金協力を国際社会に呼びかけています。

また、移民や避難民、国境付近で暮らすコミュニティを支援する国際移住機関(IOM)や、国際NGOワールド・ビジョンなども支援の手を差し伸べているようです。

<参照>

アフリカ東部・南部でエムポックス集団発生-脆弱な子どもへの深刻な脅威【プレスリリース】

東部・南部アフリカにおけるエムポックス(サル痘)感染拡大の緊急対応に協力を 国連IOMが1,850万ドルを要請