VOC分析を行うメリット・目的

VOC分析を行うことでどんな成果が得られるのか、集めたデータを何に活用すればいいのか、VOC分析の5つのメリット・目的を紹介します。


VOC分析を行うメリット・目的


  • 目的1.商品・サービスの改善
  • 目的2.対応品質の向上
  • 目的3.USPの確立
  • 目的4.LTVの向上
  • 目的5.ロイヤルカスタマーの育成



目的1.商品・サービスの改善

VOC分析を行う1つ目の目的は、商品・サービスを効果的に改善できることです。

顧客から選ばれ続けるためには、商品やサービスを改善し続けなければなりません。「ここが使いづらい」「もっとこうしてほしい」といった不満や要望を集めることで、顧客のニーズに合った改善ができるでしょう。

ただし、顧客の顕在化しているニーズだけを読み取ると、改善する点を見誤る可能性もあります。顧客の声から、潜在的なニーズを把握することに努めましょう。

目的2.対応品質の向上

VOC分析を行う2つ目の目的は、対応品質の向上です。

VOC分析で集められるのは商品・サービスへの不満や要望だけではありません。商品自体で差別化が難しくなっている現在では、良質な顧客対応の有無で、商品の購入につながることも多いもの。

たとえばコンタクトセンターへの意見を集めることで、「電話がなかなか繋がらないという意見が多いから、電話自動応答システムやチャットボットを導入しよう」「問い合わせから対応完了までの時間が短いスタッフや、顧客アンケートの結果がいいスタッフの対応を分析し、ほかのスタッフが再現できるようにしよう」といったように、対応品質の見直しに繋がります。

対応品質向上のためのVOCを集めるには、SNSでエゴサーチをしたり、問い合わせ終了後にNPSアンケートを送ったりすることが有効的です。

目的3.USPの確立

VOC分析を行う3つ目の目的は、USPの確立です。

USPは「Unique Selling Proposition」の略で、日本語にすると「自社やその商品・サービスならではの強み」です。たとえば「お、ねだん以上。」でおなじみの家具メーカー・ニトリには、「安くて高品質」というUSPがあります。

「なぜ自社を選んだのか」「購入や申し込みの決め手は何か」といったVOCを集めることで、競合他社と比べた自社の強みが見えてきます。顧客が感じている自社の強みを知り、それを軸に商品やサービスを改善することで、効果的なブランディングに繋がります。

目的4.LTVの向上

VOC分析を行う4つ目の目的は、LTVの向上です。

LTVは「Life Time Value」の略で、日本語にすると「顧客生涯価値」です。顧客が自社との取引をはじめてから終えるまでの間にもたらす利益の総称を指します。「客単価×粗利率×購入回数×継続年数」で計算できます。

顧客が自社の商品を買わなくなったりサブスクリプションを解約したりしたのはなぜなのかを知り、改善することで、先述の計算式の「継続年数」や「購入回数」を高められます。

目的5.ロイヤルカスタマーの育成

VOC分析を行う5つ目の目的は、ロイヤルカスタマーの育成です。

ロイヤルカスタマーは「自社のファン」のようなもので、自社や商品・サービスを信頼し、ポジティブなアクションを起こしてくれる顧客のことです。商品やサービスを継続して購入・利用してくれるだけでなく、知人に紹介したり、ポジティブな口コミを広めてくれたりします。

VOC分析により商品・サービスやコンタクトセンターの対応品質などを改善していくことで、ロイヤルカスタマーを増やしていけるでしょう。VOC分析を通してUSPを確立すれば、自社と相性のいい「将来のロイヤルカスタマー」も集めやすくなります。