ディモルフォスは直径約160メートルほどのサイズで、より大きなディディモスという小惑星の周囲を公転していました。
ちなみにディモルフォスが地球に衝突する可能性は元からなく、ただDARTミッションの標的として最良だったから選ばれただけです。
そしてチームはディモルフォスに向けて冷蔵庫サイズの無人探査機を放ち、時速約2万2000キロのハイスピードで正面衝突させました。
その結果、DARTミッションは見事に成功。
探査機の衝突前、ディモルフォスはディディモスの周囲を約11時間55分かけて公転していましたが、衝突後は軌道周期が32分縮まり、約11時間23分になっていることが確かめられました。
これはディモルフォスがディディモスに数十メートル単位で近づき、”軌道のずらし”に成功したことを意味します。
こちらは探査機目線から衝突直前まで撮影されたディモルフォスの映像です。
(※ 音声はありません)
衝突の余波は?
衝突後の様子を観測するため、イタリアの小型人工衛星「LICIACube」が直前で探査機から切り離され、衝突の全貌とその余波をモニタリングしました。
2年近くの追跡観測の結果、衝突の衝撃によりディモルフォスからは100万キロ以上に及ぶ大量の塵や岩石が発生したことが判明しています。
ただこれらの破片が宇宙空間のどこに拡散するかは今日まで未解明でした。
そこでミラノ工科大らが破片の動きをシミュレーションしたところ、史上初の人工流星群となるシナリオが浮かび上がったのです。
100年続く「人工流星群」となるかも⁈
チームは今回、ディモルフォスから発生した塵や岩石の破片が太陽系内にどう拡散されるかをシミュレーションしました。
LICIACubeの観測データに基づき、計300万個の破片の大きさを直径30マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)、0.5センチ、10センチの3つにグループ分けし、それぞれが毎秒500メートルまでの速度で拡散したときの様子を分析。