■大昔にナノテクノロジーが存在していた?

 現在のテクノロジーを持ってしても、この正確な配合を成し遂げることは非常に難しいとされる。ローマ時代の職人が、何らかの理由で偶然にも変色の仕組みに気がついたか、既知の科学とは異なる技術を利用したか、あるいは、すでに現在の科学が取り組んでいるナノテクノロジー同様の技術を利用して作成されたとしか考えられないのだ。

 同様の手法を用いて作成された同年代の出土品や、現存する芸術品なども乏しく、原形をとどめているものはこの「リュクルゴスの聖杯」だけともいわれている。

 はたして、この聖杯は科学的オーパーツなのか、それとも、偶然に偶然が重なった奇跡の一品なのか――? 真実はわからないが、王の死を象徴的に表す“血の赤”に染まる杯の工芸技術的価値が、芸術的価値と同様、極めて高いことはご理解いただけるだろう。知られざる聖杯の研究が、さらに進展することを期待したい。

(文=高夏五道)

参考:「EWAO」、ほか

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提供元・TOCANA

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