難関国立大学と同じ水準

 東大の推薦入試の特徴について、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏はいう。

「東大の推薦入試は2016年から開始となりました。現在の正式名称は他大学と同様、学校推薦型選抜なのですが、メディアなどでは『東大の推薦入試』となっているケースがほとんどです。募集人員は全学部合わせて100人程度です。選考方法は一次が書類、二次が面接や小論文など。他に大学入学共通テストの受験も必須です。倍率は2.2~2.8倍といったところです。

 出願条件は、学部にもよりますが、国際レベルのコンテストやコンクールでの入賞実績、語学力などが求められます。出願は一般入試と異なり制限があり、最大4人まで。男子校・女子校は最大3人までとなっています。1次選考の合格発表は12月2日。共通テストの受験と一定スコア(8割以上)が条件となっているため、最終合格発表は2月上旬、25年入試は2月12日です。そのため、合否が判明する前の2月上旬が募集締め切りとなる東大の一般入試・前期に出願することは可能です」

 東大の推薦入試のハードルの高さは、どれくらいなのか。

「推薦入試という字面から『あの東大に簡単に入れる』と誤解されることが多いです。まず、共通テストで8割以上という得点率ですが、これは難関国立大学と同じ水準です。悠仁さまの東大以外の進学候補とされている大学で見ていくと、筑波大学生命環境学群が76~77%、東京農工大学農学部が69~73%(獣医学科は81%)です。ただ、80%というのはあくまでも目安であり、実際は年にもよりますが、80%を超えているといわれています。出願条件は学部により異なるため、あいまいな部分があることは確かです。ただ、これまでの合格者を見ていくと、一般入試合格者に比べて学業成績が劣るなどの話は出ていません」(石渡氏)