イギリスは横ばい傾向ながら高い水準が続いています。

カナダ、フランス、ドイツ、日本は相対的に少ない水準です。

2022年の水準では、アメリカが3,088億ドル、オランダが1,780億ドル、スイス989億ドル、イギリス798億ドル、日本353億ドルです。

オランダ、スイスは対外直接投資所得と同程度ですが、その他の主要先進国では対外直接投資所得を大きく下回ります。

3. 直接投資収益の推移

続いて、対外直接投資所得から対内直接投資所得を差し引いた、直接投資収益について見てみましょう。

図3 直接投資収益OECD統計データより

図3が直接投資収益の推移です。

直接投資収益 = 対外直接投資所得(受取) – 対内直接投資所得(支払)

海外への投資から得られる所得から、海外からの投資で支払う所得を差し引いた差額となります。

アメリカが大きな水準が続いていますが、続いて日本の水準が高く、かつ増加傾向であることがわかります。続いて、ドイツ、イギリス、フランスと続きます。

直接投資の規模が大きいオランダ、スイスは所得の差額となるとほぼ相殺してかなり規模が小さくなるようです。

オランダもスイスも、海外への投資所得受取と海外への投資所得受取が拮抗している事を窺わせます。

4. 直接投資所得のバランス

最後に、対外直接投資所得に対する対内直接投資所得の割合についても見てみましょう。

図4 対外直接投資所得に対する対内直接投資所得の比率OECD統計データより

図4が対外直接投資所得に対する対内直接投資所得の比率を計算した結果です。

この数値が100%を超えると、海外へ支払う対内直接投資所得の方が上回っている事を意味します。

この数値が100%を下回り小さいほど、海外からの対外直接投資所得が超過しています。

推移を見ると、やはりオランダ、スイスが100%前後に達していてかなり高い水準となっています。

カナダは100%前後だったのが、近年では70%前後となっています。図3でもカナダは直接投資収益がゼロ近辺だったのが、近年ではプラス化しています。