局所泡は停止した状態ではなく、現在も秒速6.5キロメートルほどの速度で広がり続けています。
これはガイア望遠鏡の観測から明らかとなっている事実です。
ただ、その勢いはほどんど失われており、惰性で広がっているだけの状態のようです。
研究者はこうした泡が、銀河系の至るところに存在していて、銀河はチーズのような状態になっていると予想しています。
そうでなければ地球が運良く泡の中に飛び込むことはなかったでしょう。
こうした泡の形成と星形成のメカニズムは、銀河の進化に重要な影響を与えている可能性があります。
天文学者でありデータ可視化の専門家でもあるCfAのキャサリン・ザッカー氏は、今回の研究を次のように語ります。
「これはまさに原点であり、近傍の星形成がどのように始まったかを初めて説明することができます」
※この記事は2022年1月に公開のものを再掲載しています。
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参考文献
1,000-Light-Year Wide Bubble Surrounding Earth is Source of All Nearby, Young Stars
https://www.cfa.harvard.edu/news/1000-light-year-wide-bubble-surrounding-earth-source-all-nearby-young-stars
元論文
Star formation near the Sun is driven by expansion of the Local Bubble
https://www.nature.com/articles/s41586-021-04286-5
ライター
海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。
編集者
ナゾロジー 編集部