可視化されたデータモデルでは、局所泡( local bubble)と呼ばれるこの巨大な泡が、1400万年前に約15個の星がわずか数百万年の間に連続して超新星爆発を起こしたことで、星間物質を押し出して形成されたことを説明しています。
大昔とはいえ、1400万年前は地球の歴史から見ても比較的最近のことであるようにも感じます。
そんな激烈な現象が起きたとき、地球はなんの被害も受けなかったのでしょうか?
実は、この局所泡に地球がやってきたのは500万年前のことで、超新星爆発で泡が形成されたとき、地球はこの領域からはるか離れた位置にいたのです。
そのため、この連続した超新星爆発の影響も地球は受けていませんでした。
そして、500万年前に宇宙空間にできたこの空洞の中に太陽系が飛び込み、現在1000光年の幅を持つ泡のちょうど真ん中辺りに、太陽系があるというのです。
天文学者たちはこれが非常にラッキーなことだといいます。
それはどういうことなのでしょうか?
星形成の見える特等席
星間物質が押し出され空洞となった局所泡の表面では、星間物質が集中するため星形成領域ができると考えられています。
そして実際、現在太陽系の周囲には7つの星形成領域や分子雲(星が形成されうる高密度領域)が見つかっていて、これらはすべて局所泡の表面に位置しています。
これは死んだ星が新しい星を生み出すために役立っており、天の川銀河の構造や進化を理解するために役立つ手がかりであり、現在私たちは銀河の星形成を最前列で見ることができるのです。
これこそ天文学者たちの喜ぶ理由です。