変速機はカブ系と同じ常時噛合式3速リターンで、クラッチを使わずにシフトをダウンさせるタイプ。

クルマに載せて運べるようハンドルは折りたたみ可能、左右のレバーはいずれもブレーキです。左のレバーがくせもので、クラッチを切るつもりでレバーを引いたらリアタイヤがロックするという危険さ。思わず「♪ぶっ飛ばす!デンジャラス!俺ジャイアン」と歌いたくなるほどヤバいです。

♪走り出したら止まらないぜ!土曜の夜の天使さ~

タイヤは前後F-3.50-8のブロックタイヤを装着。用途が限られるサイズですが、今でも購入可能です。足回りは剛性に不安しか感じさせない「なんちゃって倒立フロントフォーク」を装備。

まっすぐ伸びたリアサスには、とても長いスプリングが装着されています。自転車っぽいドラムブレーキは見た目通り効果は最悪。走り出したら止まらない「ぶっちぎりロックンロール(横浜銀蝿)」仕様です。

スピードメーターは最高時速80㎞を表示。オーナーさんは、「せいぜい40㎞が限界。それ以上だと車体もブレーキも持たない」と言います。

アメリカの生活になじみすぎた!?

カワサキ初にして唯一のレジャーバイクKV75は、遊びゴコロは満点でしたが、ホンダのモンキーやゴリラのような人気を得ることができませんでした。その理由をサイドカバーから読み取る事が出来ます。

アメリカならいざ知らず、排気量75ccではクルマの免許や原付免許では乗れません!普通は発売前に気がつきそうなものですが…15ccオーバーは誤差の範疇とでも思ったのでしょうか。さすがはビッグバイクのカワサキ、小さいことにこだわらないところが素敵です。

取材に協力してくれたオーナーさんは、KV75の魅力にどっぷりハマっているそうです。たまに北海道内で開催される旧車のイベントに出展しているので、気軽に話しかけてみてください。