カワサキは大型バイクを得意としており、「ビッグバイクのカワサキ」と呼ばれていたためZやNinjaのイメージが強いですが、かつては原付や小型バイクも手がけていました。
今回はその中から、1970年代に発売されたカワサキ異色のレジャーバイク「KV75」を紹介します。

日本版ダイナマイトベイビー

小型レジャーバイクと言えば「ホンダ・モンキー」が絶対王者として君臨しています。大方の人は「KV75なんてホンダの後追いだろ?」と思ったでしょうが、そのとーり!初代モンキーの発売(1967年)から10年後の1977年に国内販売されました!

KV75はモンキーが道を切り開いた小型レジャーバイク路線の後を追いかけるために、輸出限定モデル「75MT1(1971年発売)」の国内版として1977年に発売されました。アメリカではレジャーバイクが流行していて、キビキビ走る75MT1は「ダイナマイトベイビー」と呼ばれていました。ガタイのいいアメリカ人が75MT1に乗ると、サーカスの熊のように見えたでしょうね。

旧車イベントに出展されていたKV75は、50年以上経過してると思えないほどピカピカ。オーナーさんは約10年前に入手したそう。とても大切にしていることがわかります。

軽量でパワフル

全長/1390mm、幅/610mm、高さ/890mm、乾燥重量59kg。横綱・照ノ富士なら余裕で「たかい、たかーい」が出来そうなくらい軽量です。エンジンは空冷2サイクル単気筒・排気量73cc・最高出力4.3ps/5750rpm。キック始動なのにバッテリーを搭載しています。

オーナーさんは、空冷エンジン必須アイテム「金属製洗濯ばさみ」でカスタムしています。これによって風を集める効果が増大し、冷却効果が得られると言われています。残念ながら空冷エンジンの減少、プラスチック製洗濯ばさみの普及、何よりも効果がないことが知れ渡り、このカスタムを見かける機会はめっきり減りました。

♪ぶっ飛ばす!デンジャラス!俺ジャイアン