黒坂岳央です。

筆者はこれまで、バイト、派遣、社員、そして独立していろんな仕事をやってきた。その経験からいって同じ会社で働くのでも、条件が変われば天地ほど仕事の面白さは変わってしまうことを理解しているつもりである。

その経験を踏まえて、本稿では「仕事のやる気がなくなる職場」を取り上げる。

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将来性がない

仕事は原則、リスクを取って将来性のあるリターンを獲得するプロセスである。リスクは経営者だけが取っているわけではなく、従業員も会社の将来性、ひいては自分たちの置かれている待遇改善や企業の成長、顧客満足を目指して同様に自身のマンパワーというリソースを投下するリスクを取っている。

問題は今やっている仕事に将来性がまったくないと、先が見えてしまった場合だ。「こんな仕事をしても将来性がない」「この会社で働くのは沈みゆくタイタニック号に身を置くようなものだ」そう思わせたら社員のやる気は地に落ちる。斜陽産業に身を置き、毎年売上や利益が落ち続ける中で何ら抜本的改革もない会社で高いモチベーションを維持することが難しいことは明らかである。

その際、仕事内容はそこまで決定的ではない。仮に一時的に本意でない職務をあてられたり、単純労働が続いても会社の成長がずっと続いて将来性を感じられるなら、入社における先行者利益を信じて頑張れるものである。

会社経営者の仕事の一つに「従業員にビジョンを見せる」というものがある。すなわち、「うちの会社はこれからこういう未来を目指していくから、一緒に頑張ろう」と未来の可能性を感じさせるという役割だ。それに失敗した時、会社の将来性を信じて長期目線で頑張る有能な人から会社を脱出してしまうだろう。

人間関係の空気が悪い

一日の大半を会社で過ごす人にとって、最もメンタルに影響するのが「人間関係」である。どこの会社、いつの時代でも人間関係の良し悪しが従業員の定着度を決めてしまうという話は誰しも納得感があるだろう。