■1912年のストックホルム大会が始まり

認知率がわずか1割程度であったオリンピックの芸術競技。その始まりは、いまから112年前に遡る。

近代オリンピックの提唱者であるピエール・ド・クーベルタン男爵は、肉体と精神を磨くことが調和のとれた理想的な生き方だという古代ギリシャの哲学にならって、近代オリンピックの理念に「肉体と精神の向上」を掲げていた。

その理念を背景に、1912年の第5回ストックホルム大会から1948年の第14回ロンドン大会までの間7大会で芸術競技が行われ、建築、彫刻、絵画、音楽、文学の5つの部門でメダルが争われた。