■タイムトラベルは可能!

「時間は流れていない、未来は決定している」時間の真理を解き明かす“ブロック宇宙論”がヤバい! タイムトラベルも解説!
(画像=画像は「ABC News」より引用,『TOCANA』より 引用)

 先述したようにブロック宇宙論では、時間が空間的に扱われ、過去も未来も存在し続けると考えられている。では、我々が空間を移動してコンビニに買い物に行くように、ブロック宇宙を動き回ることができれば、タイムトラベルできるということだろうか?

 ミラー准教授の答えは「YES」だ。

 もちろん、空間を移動するように簡単に時間を移動することは技術的にまだ不可能だが、理論的には間違いなく可能だという。これはブロック宇宙論に限らず、これまで知られているように、少なくとも光の速さに近い速度で動くことができれば、未来へのタイムトラベルはできると言われていることからも分かるだろう。

 では、過去へのタイムトラベルはどうだろうか? ブロック宇宙論では過去へのタイムトラベルも理論的には可能であり、ワームホールなどの特異点を通ることで、それは実現できるという。しかし、過去を改変することだけは不可能だという。どういうことだろうか?

「(過去に行った)私は過去を変えることはできません。明日コーンフレークじゃなくてトーストを食べるとしても、それで未来が変わるわけではありません。私はただあるがままの未来を作っているだけなのです。過去にタイムトラベルしてもそれは変わりません。あるがままの過去を作るだけなのです」(ミラー教授)

「時間は流れていない、未来は決定している」時間の真理を解き明かす“ブロック宇宙論”がヤバい! タイムトラベルも解説!
(画像=画像は「ABC News」より引用,『TOCANA』より 引用)

 補足しよう。ブロック宇宙論では、過去・現在・未来がすでに存在しているとする。だとすれば、そこには時間の流れに伴う変化、因果関係などは存在しない。ありのままの過去・現在・未来がただそこに存在しているだけだからである。過去を変えるということは変化や因果関係を認めた上でしかありえないため、ブロック宇宙論の前提からして過去の改変はナンセンスなのだ。

 なんだか、自分が決めたルールに自分で従い、自らを不利な状況に追いやるような気持ち悪さがあるが、ここでもう一度思い出して欲しい。ブロック宇宙論は相対性理論から生まれた時間論なのだ。だとすれば、この気持ち悪さも含めて時間の真理だと思って飲み込むしかない。

 とはいえ、トカナでお伝えしてきたように相対性理論に疑問を投げかける物理学者も少なくない。相対性理論が乗り越えられた時には、我々の時間理解も根本的に変更されるはずだ。全ての常識を根底から覆すような新理論の登場を待ちたい。

参考:「ABC News」、「Big Think」、ほか

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提供元・TOCANA

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