最近、「Uber Eats(ウーバーイーツ)で稼ぐならバイク配達員」「バイク配達員は自転車配達員より明らかに配達単価が高い」といった話題が注目を集めている。そこで、まだ配達地域が東京都港区、新宿区の一部エリアだったウーバーイーツの黎明期から自転車で商品を運び続ける筆者が、配達中に知り合ったバイク配達員に聞いた稼ぎの話と、自分の稼ぎを比較、検証してみた。
そして検証した結果、明らかになったのは……バイクのほうが稼げるということ。バイク配達員に聞いたとか、検証したとか大げさに書いたが、調査したのは都内で配達を行う2人のバイク配達員のみ。配達員用アプリで確認できる過去の配達履歴とその収入を見たら明らかだ。今年のお正月に筆者が配達した記録がこちら。
![時給2280円…ウーバーイーツ「バイク」配達員、おいしい仕事だが依存は危険](https://cdn.moneytimes.jp/461/1000/zaZchgRWDYaQrSxITILKZWHJgFwNKguW/00d511ee-0558-4804-8c57-5bc450336696.png)
そして、収入画面を掲載することに同意いただいたバイク配達員の記録がこちら。
![時給2280円…ウーバーイーツ「バイク」配達員、おいしい仕事だが依存は危険](https://cdn.moneytimes.jp/579/1000/GZlglGijaqYyrvMhGzTnhCHWlBgfVtaZ/47c18a8c-dd69-486d-abf2-2bcee2c4fe2b.jpg)
画面下にある「プロモーション」が、一定の回数を配達したらもらえるもの。「チップ」は注文者からいただけることがあるもの。なので、ボーナス的な収入を除くと自転車配達員の筆者は税込7万273円。バイク配達員は3万9558円。自転車配達員である筆者の配達回数(乗車の数)は173回で、バイク配達員は51回。1回あたりのボーナス要素を除いた配達報酬は、自転車が406.2円、バイクが775.6円と2倍弱の開きがある。さらに待機時間と配達時間を合わせた「オンライン時間」を見ると、自転車が64時間8分でバイクが17時間21分。時給に換算すると自転車が1095.7円、バイクが2280円と2倍以上の差となった。画面掲載の同意をいただけなかった方も、自転車配達員の筆者より1回あたりの配達報酬、時給とも2倍ほどの差があった。
大きな差が出てくる理由
なぜ、このように大きな差が出てくるのか。ウーバーイーツは報酬決定のシステムがブラックボックスとなっているため、細かいことは不明だ。だが、バイク配達員の話や、筆者がこれまでに運んだ経験から考えられるのは2つ。配達距離や時間が長いほど配達報酬が上がること。そしてバイク配達員に長距離の配達依頼が優先的に回ってくるのではないかということ。
東京都内で自転車配達員をしている筆者の場合、配達員を多く見かける時間帯に配達していても、舞い込んでくるのは配達距離1.5km以内の報酬300円程度の依頼ばかり。バイク配達員の履歴を見ると報酬500円以上、距離3km以上がたくさんあった。一方通行の道が多い都内の場合、近距離なら自転車のほうが早く届けられるので、運営側はこのような対応をとっているのだろう。
また、注文する側としては「せっかくウーバーで注文するなら、近所の店より、あまり行く機会のない遠くの店の料理を頼んでみよう」との思いがあるだろう。こういったことから長距離の配達依頼が増え、バイク配達員に優先的に依頼が届き、自転車配達員との稼ぎに大きな差が開いていると思われる。