都市間バスは、格安航空会社が移動手段として定着した今でも重要な「市民の足」である。

飛行機で行くにはあまりに近過ぎるが、自家用車で行くには遠い。そうした「帯に短し襷に長し」といった距離をカバーするのが都市間バスだ。そして現代、このバスにも電動化の波が訪れている。

インド・ハイデラバードに拠点を置くFresh Busは、EVバスの都市間定期運航をすでに実現している。CO2を排出しないのはもちろんながら、この業界では珍しい複数回乗車パスも設けているなど、独自の利便性も特徴だ。

他人の異性が隣り合わせにならない仕組み

Image Credits :Fresh Bus

インドは現時点で、世界最多人口を抱えている。世界銀行によると、2023年の時点でインドの人口は14億3,000万人だ。

これだけの人の移動を支えるには、飛行機や鉄道だけでなく都市間バスもなければならない。このバスは、都市部には必ず一つはあるバスターミナルから発着し、チケットも現地に行って購入するスタイルが今も主流だ。バスターミナルに行くと、各バス会社の客引きが旅行者に声をかけている光景をよく見かける。

Image Credits :Fresh Bus

そんな中、Fresh Busはブラウザとアプリでのオンライン予約に対応している。ハイデラバード、ヴィジャヤワーダ、ティルパティ、グントゥール、ベンガルールの5都市に展開し、全ての路線のチケットをオンラインで販売している。

エアコンとWi-Fiが完備され、さらに他人同士の異性が隣り合わせにならないための仕組みも施されている。予約画面の座席表で桃色に塗られた席は、すでに女性客が予約していることを意味する。ここに後から男性が予約を入れることはできない。

Image Credits :Fresh Bus

18万トンのCO2削減に成功

そしてこのFresh Bus最大の特徴は、全車両がEV車であるということ。