IoAにむけて急速に発展が進むいまこそ、新しい考え方で、新しいツールの開発をすすめる必要があるのだ。

AI教育プラットフォーム「Gandalf」

Image Credit: Lakera

こうした背景のなか、Lakeraは、AIセキュリティツール「Lakera Guard」のほか、AI教育プラットフォームGandalfを運営している。同サービスはMicrosoftをはじめとする多くの企業でセキュリティ教育に使われるなど、世界中で25万人以上のユーザーに利用されている。

Gandalfは、LLMと対話する能力を試されるゲームである。ゲームのゴールは、巧妙なプロンプト(質問)を打ち込むことによって、LLMが隠している秘密のパスワードを開示させることだ。ゲームはレベル7まで用意されており、レベルがあがるごとに、より巧妙なプロンプトの発行が求められる。

Gandalfには毎日10万件以上の攻撃が繰り返されており、その攻撃から学んだ結果からデータベースを構築している。また、この成果をLakeraセキュリティツールに取り込んでいる。これによって、Lakeraの顧客は脅威に先んじて脆弱性の防御が可能になる。

思想的リーダーとして新時代を切り拓く

Image Credit: Lakera

Lakeraの投資パートナーAtomicoのSasha Vidoborskiy氏は次のように述べる。

LakeraはDropboxや米国の銀行トップ3などの顧客を獲得し、Fortune 100企業の35%以上がLakeraのドアをノックしているなど、商業的な成功を収めています。業界最高のパフォーマンスを特長とするLakeraのツールですが、最も重要なことは、共同創業者兼CEOのDavid Haber氏と彼のチームが、この分野の思想的リーダーであることです。

Atomicoが主導した今回の資金調達は、Citi Ventures、Dropbox、redalpineを含む既存の投資家が参加。同ラウンドは、シードラウンド発表からわずか数か月で終了したという。同社は「大手金融サービス企業のベンチャー部門と有名なSaaS企業の参加は、企業向け生成AIアプリケーションのセキュリティ確保の緊急性と重要性を浮き彫りにしている」と語った。