成長パターンの客観的な指標には、数学的成長モデルが用いられる。

数学的成長モデルにより養殖場の魚の体重を把握できれば、その時点で必要とされる飼料量を正確な推定ができる。さらには、特定の時点の体重を予測できれば、目標体重(例:市場重量)に達するのに要する時間の逆算も可能かもしれない。(参考)

現在、ADGモデルやSGRモデルなどの成長モデルが水産養殖業界では広く用いられている。しかし、このモデルにはまだまだ正確さにおいて問題があることについて同社は言及している。

そのため同社は、Bureau博士の長年の研究に基づいた独自の成長モデルを使用した。下の図からバツで示された観察値を、同社のモデルが正確に予測していることが確認できる。(同社ブログより)

Image Credits: Wittaya Aqua

AquaOp Farmは、この成長モデルを搭載した養殖業社向けのプラットフォームだ。養殖業者は成長モデルの計算に基づき、養殖種の成長、飼料要求量、死亡率などをより正確に予測することができる。

養殖場のデータはセンターで一元管理され、過去の生産サイクルと比較しながら、将来的な生産シナリオをシミュレーションすることが可能だ。

さらには、種別や飼料や設備などのユーザーが見たいデータを見れるようにするカスタマイズ機能、体重を予測し、最適な成長のための飼料の推奨を得るなど、多くの養殖業者へのサポート機能がある。

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データと科学に基づいて飼料生産を支援するAquaOp Feed

養殖業における重要な要素のひとつが、飼料の生産である。飼料はさまざまな原料を配合して作られるが、同社は徐々に飼料業者と原料業者の間に大きな知識ギャップがあることがみえてきたと綴っている。くわえて、飼料の栄養が養殖魚にあたえる影響について誤った情報が存在していたことも指摘。

この課題に対し、科学的データに基づいた正確な情報を提供し、原料業者、飼料生産業者、養殖業社までの飼料業界全体のより良い意思決定を実現するために新たなプラットフォームが開発された。それがAquaOp Feedだ。