これを潜水士が行うとしたら、極めて危険な作業になってしまう。しかし、ROVであればどのようなトラブルが発生したとしても、人命が失われることはない。それまで命がけだった点検作業が、EyeROVの製品により安全な仕事になるだろう。

原子力潜水艦よりも深く潜れるROV

Image Credits : EyeROV

ダムのメンテナンス、石油パイプラインの点検だけでなく、橋などの交通インフラの建設、港湾施設の拡張、海底の調査、救助活動などにもEyeROVの製品を用いることができる。現にEyeROVは上述のEyeROV TUNAだけでなく、インド海軍向けに開発したEyeROV TROUTという製品も用意している。

これは深度300mに対応するROVで、防衛分野での活用を期待されている。なお、アメリカのバージニア級原子力潜水艦の最大潜航深度は公表数値で250m。EyeROVの製品は、潜水艦よりも深い水深で稼働することができるのだ。

その他にも自律型水上ボートEyeROV iBOAT ALPHA、深度50m対応の水中カメラEyeROV NEOPIA UW-50、そしてそれらの製品が収集したデータを解析するプラットフォームEVAPも提供している。

1億ルピーの資金調達

Image Credits : EyeROV

先日、EyeROVはUnicorn India Ventures主導のプレシリーズA投資ラウンドで1億ルピー(約1億7,700万円)の資金調達を完了した。今回の資金を元手に、EyeROVは中東への進出も計画しているという(参考)。

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現在、EyeROVは石油精製大手Bharat Petroleum、タタグループ、インド沿岸警備隊をはじめとした30超のクライアントを抱えている。2016年の設立から今日まで各種インフラ整備の現場に赴いてきた同社だが、今後は中東諸国の巨大港湾施設や石油パイプラインなどでその名前を見かけることがあるかもしれない。