一方、トレーニングを完全にやめたグループは、12週間のトレーニングで得た効果をほとんど失い、トレーニングを始める前の状態にまで戻ってしまいました。
これらの結果から、トレーニング効果をどれほど維持できるかどうかについて、トレーニングの頻度は単純な直線関係ではなく、全くやらないか、2週間に1回でもやるのかでは大きな違いがあることがわかりました。
トレーニングをはじめた当初は、多くの人が健康のために筋肉量を増やしたい、体脂肪を減らしたいなどといった高い意欲を持って、時間を割いて取り組むことができます。
また、トレーニングの初期は筋力や持久力の成長を実感しやすいこともあり、自己満足感や達成感を感じやすいです。
一方で、スポーツ庁の調査結果によると、1日30分以上の軽く汗をかく運動を週2回以上実施し、1年間継続している運動習慣者の割合は30%を下回っています。
これは、多くの人が最初のモチベーションを維持するのに苦戦し、運動を習慣化できないことを示唆しています。
ただ、今回の研究結果を踏まえると、運動習慣者と呼べないレベルの2週間に1回といった少ない頻度でも、全く運動しないよりははるかに良いです。
長い人生において、常に右肩上がりで体力や健康度を向上させることは現実的ではなく、特に忙しい時期やモチベーションが低下している時期には、トレーニングへのハードルを下げながら、体力の維持もしくは低下を最小限にとどめるだけでも意味があります。
その意味で、頻度が減ったとしても、完全にやめてしまうよりは、半月に1回でも運動を続けることが健康であるために大切と言えるでしょう。
トレーニングへのモチベーションを見失っている人は、頻度を落とすなど、運動へのハードルを下げてみてはいかがでしょうか?
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参考文献