「問題は支払い意欲の不足ではなく、支払い能力なのです。患者の財務的かつ身体的な健全性の改善の支援にむけて、私たちは努力を続けていきます」と、PayZenの創業者兼CEOであるItzik Cohenは述べる。
報告では回答者の77%が、12か月以上の期間にわたって分割して支払うことで医療費負担が軽減できると回答している。PayZenはAIを駆使することで、患者にとって少ない負担での治療後の支払い手段を提供しているのだ。なお同社のサービスは最大60か月、無利息で申し込むことが可能とのこと。
患者と医療機関双方の財務健全性を改善する
PayZenは、独自のAI・機械学習モデルや自動化技術を活用したうえで、EMR/HER(電子医療記録/電子健康記録)システムと継ぎ目のない統合を実現している。これによって何百万人もの患者の支払い処理を簡素化し、治療を受けた後の医療費支払いの負担を軽減できる。具体的には、ビッグデータ分析の結果にもとづいて、特定の個人向けに最適化した支払い手段を提供する。患者の支払い能力を改善することは、医療機関の財務状況の改善にもつながる。PayZenは、医療機関が患者の初回来院から最終的な支払いまでの収益を追跡・管理するRCM(Revenue Cycle Management:収益サイクル管理)と呼ばれる市場において、多くの患者が医療を受けられないという現状を改善するとともに、医療機関のRCMの管理負担を軽減し財務状況の改善にも貢献しているのだ。
CohenはPayZenの社会貢献上の意義について、このように述べる。「私たちのミッションに共感して参加してくれる人々がいます。私たちは、世の中に貢献していることを実感しながら、毎晩安心して眠りにつくのです」。
(文・五条むい)