他の先進国と比べても医療費が高いとされる米国。米国サンフランシスコに拠点をおくPayZenは、1007人のアメリカ人を対象に4月に行った調査によって、米国の医療費負担危機を明らかにした。回答者の39%が支払い不能を理由として医療サービスを受けていないというのだ。
PayZenはAIを活用して、米国における医療費負担危機の解消に取り組むフィンテック・スタートアップだ。PayZenが患者の医療費債務を引き受け、AIを活用して患者の支払い能力に最適化された支払いプランを提供。これにより患者は先に治療を受け、あとから自身に合ったペースで支払いをすることができるようになり、同時に医療提供者がスムーズに支払いを受けることにも役立つ。
同社は8月13日、シリーズBラウンドの完了を発表した。このラウンドには3200万ドルの株式による資金調達と、2億ドルの融資枠の確保が含まれる。
過去2年間、PayZenは前年同期比6倍の驚異的な成長を達成している。さらに100%の顧客維持率を誇る。PayZenは2024年後半にかけて、さらに柔軟な医療費の支払いオプションを提供し患者の負担をより軽減するために、AI活用による支援サービスの拡張開発を進めているとのことだ。
治療をいま受けて支払いは後で
PayZenの報告によると、75%の回答者が予期しない医療費の支払いに不安を抱いている。また支払い可能な最大の自己負担医療費は月あたり平均97ドルだ。この問題により回答者の36%が、受診しないか受診の延期を強いられている。その48%は処方薬を購入しないですませたり、また40%は高額なメンタルヘルスケアの受診を避けている。その結果、回答者の68%が不安やストレスの増加を経験し、48%が実際に健康の悪化を招いている。
その一方で、支払い意欲が強いことを示すデータもある。91%の回答者は医療費を支払うために節約を行い、ぜいたく品を買わないと回答しているのだ。