天気予報の精度は近年かなり向上している。1週間先の天気予報は参考程度、という時代もかつてはあったが、コンピューターで予測するようになってからというもの精度は継続的に向上し、さらなる長期予報もできるようになっている。

そうした現代にあっても、“台風が発生するずっと前から”、いつ台風が発生するかがあらかじめわかると聞くと、耳を疑う人もいるかもしれない。だが、実際にこのほど米国に上陸したハリケーンを5か月前に予報した米国企業がある。気象学者が創業したWeather 20/20だ。

同社からこのほど、半年先までの天気を予報する一般向けの天気アプリ「Global Predictor」がリリースされた。

危機管理や事業計画に役立つ

Weather 20/20は、気象学者のGary Lezak氏が創業した米カンザス州を拠点とする気象予報サービスの企業。特に中長期の天気予報に強みを持ち、さまざまな分野の企業・組織に気象情報を提供している。

Image Credit : Weather 20/20

天気をコントロールすることはできないが、あらかじめ災害につながりそうな天気になることがわかれば対策を講じることができ、危機管理に生かせる。

また、農業や漁業、建設、観光、交通など、天気に左右されがちな業界は正確な中長期の天気予報で大きな恩恵を受けるだろう。そのほかの産業でも、悪天候が予想される場合、資材をストックしておくなどして影響を最小限に抑えることができる。

そうした精度の高い天気情報に早い段階から個人でもアクセスできるようにしようとリリースされたのがGlobal Predictorだ。

特許出願中のモデル

Global Predictorは、Weather 20/20が企業などに気象情報を提供するのに用いているのと同じLRCモデルを使用している。LRCは、この手法を考案した創業者の名前を冠したLezak Recurring Cycleの頭文字で、現在、特許を出願中という。