ちなみに、来月に入るとドイツ東部のザクセン州とチューリンゲン州で新しい州議会が選挙される。全ての世論調査によると、移民・難民受け入れを拒否する極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が飛躍すると予想される一方、連邦与党のSPDや「緑の党」が壊滅的なダメージを受けると考えられている。

なお、ドイツでは暴力犯罪は2023年に21万4099件に達し、過去15年間で最高の数字だ。また、2022年と比較してナイフ攻撃は約800件増加し、ほぼ9000件に達した。現在、すべての犯罪容疑者のほぼ半数はドイツ国民ではない。フェーザー内相が計画しているナイフ禁止令は、マンハイムやゾーリンゲンのようなテロリストを止めることができるだろうか。

ドイツ民間ニュース専門局ntvでトーマス・シュモル記者は「まるで武器が問題であるかのように」という見出しで、「重犯罪を犯した難民申請者が追放されていない状況でマンハイムやゾーリンゲンのようなテロを防ぐことはできない」と警告を発している(注・2024年5月31日ドイツ南西部マンハイム市内の路上で男がナイフで複数の人々を刺す事件が発生した。犯人はその場で警察に射殺されたが、警察官一人が犠牲となった。同事件はドイツ国民にショックを与えた)。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年8月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。