すぐにスプールが逆転し、オシアジガー2000から勢いよくラインが飛び出していった。引きからしてデカイが獲れると判断し、ファイトタイムを短縮するべく徐々にドラグを締めていった。
30~40mほどラインが出たところで相手が止まり、ここから主導権を奪うべく、強気のファイトに移ったが、相手も容易には観念せず。20mほど巻いては出されの激しい攻防戦に突入した。
強気のファイトでランディング
粘り強く抵抗する魚に対し、出方を見ながらさらにドラグを締め込んでいく高倉さん。いつしかフルドラグとなり、指ドラグと綱引きファイトでリフトを続けたという。巻いたり出されたりを繰り返していてもキリがないので、とにかく走らせないことに意識を集中し、周囲で見守るアングラーのことも気遣って、一刻も早く取り込めるよう強気でファイトを続けたという。
グルグルと旋回を続ける相手を、少しずつ海面へと導く。やがて、ギラギラと反射する魚体が見えてきたが、最初は特大のカマスサワラのように見えたという。されど、その魚体は長いだけでなく太い。やがて黄色のラインとフィンが見え、ここで相手が大型のキハダだと確信。想像していた以上のサイズにたまげたが、過度に慎重になってはいけないと、そのまま強気のファイトを続けたという。
そして、ラストランを高倉さんが封じる。進退きわまって回り続けるキハダの巨体を、船長のモリが一発で捉えランディングに成功。炎天下の激戦を制し、一生の思い出となる1匹を手にすることができた。
冷静&強気が勝因
インタビューの最後に、同氏に今回のバトルを総括してもらったが、最初からこのサイズのキハダだとわかっていたら、過度に慎重になってキャッチできなかったかもしれないと振り返る。
カツオやキメジを想定していたため、ラインはPEライン3号を300m。ひとっ走り200mと言われる大型キハダを相手にするには、太さも長さも心もとない。