対外直接投資所得も対内直接投資所得も拡大傾向ではありますが、対外直接投資所得の方が圧倒的に多く、差引の直接投資収益も拡大傾向であることが確認できます。
2022年の数値では、対外直接投資所得が2,061億ドル、対内直接投資所得が353ドルで、約6倍の差があります。
2. 日本の直接投資所得の収支バランス日本は対外直接投資と対内直接投資のバランスでみると、大きく対外直接投資に偏っているのが特徴です。
他の先進国は概ね50~150%と双方向的ですが、日本は1割程度です。
直接投資からの所得も、やはり対外直接投資が圧倒的に多い事が確認できました。
念のため、このバランスの推移についても確認してみましょう。
図2が2005年からの時系列での対外直接投資所得に対する対内直接投資所得の比率です。
日本はアップダウンがありながらも、15~33%程度で推移している事になります。
対内直接投資所得が3分の1~7分の1程度という事になります。
この比率の国際比較については、後日ご紹介します。
3. 日本の直接投資収益の検証日本の統計データで公表されているのは、差引された直接投資収益です。
OECDの統計データで計算した数値が、日本の統計データと合致するのかも念のため確認してみましょう。
図1のドル換算した直接投資収益と、財務省 国際収支データの直接投資収益を為替レート(年平均)でドル換算した数値を重ね合わせたのが図3です。
2013年以前ではやや乖離もありますが、ほぼ一致している事が確認できますね。特に2014年以降ではほぼ完全に一致します。
直接投資収益とは、対外直接投資からの受取りと対内直接投資による支払いの差引である事は間違いないようです。
4. 日本の直接投資収益の特徴今回は、OECDの統計データから、対外直接投資による受取りと対内直接投資による支払いの差引としての直接投資収益について確認してみました。