上記に基づくと、シュモクザメは生存するうえでメリットがあってあの頭の形をしていることがわかります。
この項ではシュモクザメの頭がもつメリットを4つ解説します。
シュモクザメの特徴的な頭のメリットとは(提供:PhotoAC)
視野の広さ
シュモクザメの目は頭部の両端に位置し、これにより広範囲の視野を確保できます。広い視野で捕食者からの攻撃を早く察知できるほか、獲物を探すときも有利です。
電気需要感覚の向上
シュモクザメは広い視野を持ちますが、その代わりに視差を利用して距離を図ることができません。それを補う役割として、このひらべったい頭部にはロレンチーニ器官と呼ばれるセンサーがあります。
これは微弱な電場を感知するための器官であり、海底に隠れた獲物や動いている魚がどこにいるのかを察知するのに役立ちます。このロレンチーニ器官はシュモクザメ以外のサメやエイにもありますが、シュモクザメのロレンチーニ器官は特に発達しています。
頭部が左右に広がり、そこに器官が並んでいることで、この感知能力がさらに向上すると考えられています。
運動性能の向上
シュモクザメの頭部は、横に広がった翼のような形をしているため、俊敏に方向転換ができ、獲物を追い詰める際や逃げる際に有利だと考えられています。
摂食行動の効率化
シュモクザメの頭部は餌となる魚群を効率的に包囲し、捕食するのに適しています。特に底生生物を捕らえる際に広い頭部を使って砂を掘り起こし、隠れている獲物を探し出すことができます。
また、大好物のエイを頭で海底に押し付け、食べるという行為も見られています。ちょっとこわいですね。
ハンマーリバーとも呼ばれる
かっこいい見た目で不思議がいっぱいでシュモクザメ。日本にあるダイビングスポットでは南伊豆の神子元が有名です。
シュモクザメは群れて泳ぐことで知られており、その姿はハンマーリバーと呼ばれています。これは、自然で起こる磁場に惹きつけられ集団で泳いでいると言われています。
ハンマーリバー(提供:PhotoAC)