今年5月、アメリカの映画監督、モーガン・スパーロック氏が亡くなりました。

スパーロック氏の代表作として知られるのが、自らが監督、脚本、制作、主演を努め、2004年に公開されたドキュメンタリー映画『スーパーサイズ・ミー』です。

映画では、ファストフードの食事が健康に与える影響を調べるため、彼自身が30日間、マクドナルドのメニューを食べ続けた結果、体重や体脂肪の増加、体調不良など、様々な健康問題が現れたことが描かれています。

この映画は世界興行収入2200万ドルを達成し、放映後にはマクドナルドでスーパーサイズの販売がなくなったり、アメリカの学校教材として映画が使われたりするなど、大きな社会的影響を及ぼしました。

あまり広くは知られていませんが、実はこの映画には2017年に公開された続編が存在します。

本記事では、映画を軽く振り返るとともに、続編のテーマの1つであった健康ハロー効果と呼ばれる見せかけの健康効果を取り上げます。

目次

  • 健康ハロー効果とは?
  • 健康ハロー効果の影響とそれを防ぐ取り組み
  • 皮肉で締めた映画

健康ハロー効果とは?

2017年に公開された『スーパーサイズ・ミー2:ホーリーチキン!』は、2004年に大ヒットしたドキュメンタリー映画『スーパーサイズ・ミー』の続編です。

前作では、モーガン・スパーロック氏が30日間、マクドナルドの商品だけを食べ続け、ファストフードが心身の健康に与える影響をテーマにしていました。

続編では、スパーロック氏が自らファストフード店(ホーリーチキン)の開店準備を進める中で、前作から10年以上経過したファストフード業界が本当に変わったのかを、違った角度から探っています。

当時のファストフード業界は、前作の影響もあってかいくつかの変化が見られました。

具体的には、マクドナルドでのスーパーサイズの廃止やサラダメニューの登場、さらには各ファストフード店での「フレッシュ」「ナチュラル」「ホームメイド」「クリスピー」といった健康的に見える宣伝文句やメニューの増加です。