海の底に沈んだとされる伝説の大陸「アトランティス」。現在ではアトランティス大陸は実在せず、プラトンが自らの哲学的な主張を展開するために創作した架空の国家である可能性が高いと考えられいるが、かつてアトランティスを探求することは、実際に考古学的な試みであった。

 1915年のスミソニアン協会の理事会への年次報告書には、フランスの研究者ピエール・テルミエによる、アトランティスの探索状況に関する詳細な議論が含まれてる。テルミエはオカルト主義者ではなく、フランス地質図の作成に携わるフランス科学院のメンバーであったのだ。

アトランティス探求の変遷とその背景

 ではなぜ、110年が経った今、オックスフォード辞典などの権威ある辞書において、アトランティスの探索が「疑似考古学」として扱われるようになったのか。それは、最初から結論ありきの誤謬の極端な例といえるだろう。さらに、考古学界の一部は、アトランティスのような失われた高度な文明について考察すること自体を否定する組織的な動きをしているのだ。

 こうした過剰な反応や言論封殺は、長期間にわたる誤りが露見することを恐れる人々の知的な限界を示している。しかし、それだけではないだろう。2023年4月に出版された『ヤージュニャヴァルキヤの黙示録(The Apocalypse of Yajnavalkya: Revelations Concerning the Nature of Humanity and the Gods )』では、この問題に大胆に切り込み、一連の驚くべき発見を明らかにしている。

 実際、我々はアトランティスについて長い間、誤った情報を信じ込まされてきたのかもしれない。以下に挙げるのは、現在多くの人々が当然のこととして受け入れている、アトランティスに関する3つの一般的な誤解である。