自民党総裁選挙に立候補を表明した小林鷹之衆議院議員が発表した政策の中には、社会保障改革がありました。
ここに触れた点は非常に良かったと思う反面、その具体的内容はまだ明らかになっていません。
社会保障:給付か負担かではなく、第三の道。イノベーションを通じて、成長産業でもある医療・介護の持続可能性を高める。創薬を世界をリードする産業に。若い人たちに過度な負担がかかる現行の社会保障の概念を打ち破り、将来に安心と活力をもたらす社会保障制度改革 (小林鷹之議員の総裁選特設サイトより抜粋)
特に「給付か負担かではなく、第三の道」というのはキャッチーではあるものの、その中身が曖昧であり、具体的な施策が見えにくい点が問題です。
「若い人たちに過度な負担がかかる現行の社会保障を打ち破る」としていますが、どのように具体化されるのでしょうか。これは、総裁選挙において有権者が彼の政策を評価する上で重要なポイントとなります。
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以前にもブログで述べたように、社会保障制度改革は政治家にとって「鬼門」とされてきました。
年金改革や医療制度改革に触れた多くの政治家・政党が、支持率の低下や改革の頓挫を経験してきたからです。
第一次安倍政権、民主党政権、そして河野太郎大臣の例が示すように、年金や医療といった重要な社会保障の問題は、国民の関心が高い一方で、具体的な改革提案が支持を得るのは非常に難しい状況です。
しかし、このテーマから逃げ続けていては、日本が沈む一方。
ここは若手議員のホープでもある小林議員に、ぜひ「第三の道」が具体的に何を指すのかを明確に掲げ、社会保障制度改革の議論の旗手になっていただきたいところです。
「給付と負担」は保険制度の根幹ですから、この制度設計を前提としないというのであれば、維新案のように年金や医療を一部「税財源化」することも視野に入っているのかもしれません。
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