Techableでは先日、失業者向け音声アシスタントEarlybirdについての記事を配信した。また、公営住宅のカビ問題解消に取り組むSwitcheeに関する記事も読者の皆様にお届けしている。これらはいずれも、労働者の生活水準の向上に貢献するスタートアップ及びサービスだ。

ロンドン市長のサディク・カーン氏は、自身がパキスタン移民2世という経歴を持っている。カーン氏の企画したピッチコンテストも行われ、そうした影響もあってかロンドンでは「労働者に寄り添ったテクノロジー」を開発する機運が高まっている。

移民・難民の失業者にITスキル習得の機会を提供

この記事で解説するNiyaは、移民・難民の失業者と人材募集中の企業を結び付けるプラットフォームを運営するロンドン拠点のスタートアップだ。

Image Credits :Niya

ただし、その「仕事」とは単発的な単純労働ではない。失業者にトレーニングの機会を提供したうえで、彼らがIT人材として就業するための支援をおこなう仕組みのプラットフォームである。

一口に「ITスキル」といっても職種は多岐に及ぶが、なんにせよ一度スキルを身につければその後の職に困る可能性は大幅に減るだろう。だが、移民・難民を含めた失業者がITスキルを習得できる機会は多くはない。

Image Credits :Niya

Niyaはそうした失業者に向けて、1000講座以上のオンライントレーニングを無料で提供している。さらに、就業に向けたコミュニケーションプラットフォームやメンターと相談できる機能も備わっている。ちなみに、Niyaはこのメンター職の募集も行っている。

その後、Niyaのプラットフォームで求人側とのマッチングを実施。これにはAIが用いられ、スキルやパーソナリティーに応じた求人の紹介が行われる。

Niyaのオンライン職業トレーニングを受けたRafka Abou Salemさんによると、プラットフォームを通じて機械学習の技能を習得し、今ではコンサルタントとして働いているという。