毛虫カラーが的中?
それから小型のイワナやニジマスをポツポツと釣り上げて遡行を続けとあるポイントにたどり着きます。そのポイントは河畔林が全体をカバーし崩壊した護岸ブロックが水中に格好の隠れ家を形成していて、いつも大小問わず何かしらの魚が付いている場所です。
その日はチャートグリーンのミノーがとにかくハマっていて替えずに釣り上がっていたのでルアーはそのまま、音を立てないように抜き足差し足で姿勢を低くしてポイントにアプローチしていきます。最低限のモーションでロッドティップのアクションでミノーを飛ばしフェザーリングで勢いをコントロールしながら静かに着水させます。着水と同時に対岸水中にある護岸ブロックがら大きなヤマメが魚雷のような勢いでミノーめがけて突進、ミノーに噛み付いてきました。
しかし、まさかの遭遇でフッキングのタイミングが遅れてしまい、失敗。そのヤマメは出てきた時と同じ勢いでどこかに消えていきました。たった10秒足らずで勝負は完敗。あーあとぼやきながら足元を見ると黄緑の大きな毛虫が転がっていてさらに上流から同じ種類の毛虫が流れてくるのが見えました。人差し指ほどの大きな毛虫はヤマメにはさぞ食い出のある餌だったのでしょう、さらに毛虫とミノーの色がマッチしていたのであの勢いで突っ込んでくるのも納得でした。
3日目は43cmニジマス
前回からさらに数日後。その日の休みだったものの、昼から所用があったためまたあの里川支流で朝7時からの2時間勝負に出ることに。到着して川の様子を見ると源流付近で雨が降ったのか水が高くなっていました。
ただこの川は濁りに強く大雨が降ってもどチャ濁りになることは無く常にジンクリアな水色を維持しています。なので悪い条件ではないとむしろ期待が高まります。最初のキャストでは増水の影響でいつもはあまり見かけないサイズのイワナがヒットして尚更期待値が上がっていきました。
期待とは裏腹に……
ところが水がヤマメにとって高すぎるのかヤマメからの反応がほとんどありません。代わりに小型のニジマスがコンスタントに釣れていきます。この川で釣れるトラウトはヤマメとニジマスが大半を占めているのですが特にニジマスのサイズはあまり期待できない川でもあります。筆者のこの川でのニジマスの実績は最大でも40cmを超えたことがありませんでした。
激流の魚道
この川には一定間隔で古い堰堤と魚道が設置されており、増水事には激流と化す箇所もあります。その日も増水の影響で魚道付近の流速はかなり早くなっており、アップストリームでアプローチしても着水と同時に流されてしまう状況でした。そこで上流側からダウンストリームでアプローチしていきます。
筆者は普段、このような状況では重めのスプーンを使いますがその日は軽めのスプーンしか手元になかったのでお決まりのチャートグリーンのシンキングミノー4gをスナップにつなぎます。陸生昆虫が多いこの時期、トラウトは表層を意識しているはずなのであまり沈めずに表層から中層を意識してミノーを流します。