システム投資費用を抑制

 PDFツール「AxelaNote」を開発・販売するTransRecog代表の小林敬明氏はいう。

「一見すると『素っ気ない』『ダサい』という印象を抱くかもしれませんが、非常に画面構成がシンプルで使いやすく、UI的に優れていると評価できます。デザインを見る限り、おそらくデザイナーがデザインしたものではないと思われ、社内で顧客のユーザビリティーをとことん突き詰めた結果として、このようなUIになったのではないでしょうか。一般的な飲食店チェーンでは、料理の写真が並ぶメニュー画面上から選択するかたちですが、サイゼリヤはかなり振り切ったUIになっているといえます。もともとサイゼリヤは紙のメニューから料理を選んで客自身が紙のオーダー票にコードを記入するという形態だったため、それがスマホ入力に切り替わるだけなので、お客もすんなりと移行しやすいという面もあるでしょう。

 テーブルに備え付けのテーブル番号と注文用のQRコードが表示されたプレートは、主流の液晶画面ではなく電子ペーパーになっていますが、液晶画面だと見るヒトの方向によって見えにくくなることがあるというデメリットを回避するためだと思われます。

 また、このような方式にすることによってシステム投資費用を抑制し、今後のメンテナンスもしやすくなっていると感じます。現在の形態が完成形ではなく、今後改良を重ねて進化させていくのではないでしょうか」