もっとやれることがあった、という気持ちが常にあったため、いつも苦笑いをしていたが、終わってみると、非常に大変だったが、よくやった。知識、経験、技能、性格、環境、などの諸要因から、国際機関で日本人がキャリアを構築していくために何が必要か、ということを常に考え、そのための支援方法を考え続けていた。常に成果を出し続けていかなければならないプレッシャーも大きかった。

そのため事業運営を終えてみると、正直、安堵の気持ちの方が大きい。17年の間に何度も、もうやめよう、と思ったことがあったが、関係者の方々らに説得されて、続けていた。今回は、外務省の方針変更で、私の意図ではなく、事業関与が終わったので、余計に安堵している。

他方において、激変する国際社会の中で、国際機関のキャリアをどう考えればいいのか。調べ続けたいことや、考え続けたいことが、多々ある。苦労に苦労を重ねて蓄積したノウハウやネットワークを役立てる場をゼロにしてしまうのも、惜しい気もした。

そこでHPCとして独自の各種研修活動を立ち上げた。

「YOOR」というプラットフォームからのオファーをいただき、希望者に継続的に国際機関のキャリアについて語っていくオンラインサロンも立ち上げることにした。

55歳になったところだが、定年退職の年齢までを数えても、まだしばらくある。激変する国際社会を、自分の専門や関心分野の観点から、見つめ続けていこうと思っている。

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