やりたいことで成功を目指すのは強者の理論である。最初は自分の欲求より世の中のニーズに滅私奉公するほうが成功できるだろう。

2. 仕組み化できれば働かなくてもいい

経営者になって従業員を雇えば、自分は仕事に介在せずほぼ不労所得のようになるという意見を見ることがある。確かにあくまで短期的なスパンで言えばこの理論は通用するし、自分も会社を従業員に任せて長期旅行に出かけることがあるので部分的には正しいと感じる。

しかし、これが数ヶ月、数年レベルで放置できるか?というと間違いなくそうではない。特にネットが絡む事業はそれが顕著である。ネットで広告を出したり、記事や動画経由でアクセスを集め、一部の顧客に買ってもらうネットマーケティングをする上では常に改善し続ける必要がある。

たとえばネット広告を出すなら、クリエイティブと呼ばれる広告で同じものを使い続けると反応度が落ちてくるので、テストを繰り返しながらクリエイティブを変える必要がある。

また、記事や動画も「一度出したら資産化してアクセスを集め続ける」という意見は間違いで、一切更新をしなくなるとプラットフォームのAIアルゴリズムはおすすめや関連に表示しなくなるので、一気にアクセスが落ちる。イメージが悪いが滑車の中で走り続けるハムスターのように記事や動画はずっと更新し続けなければアクセスはいずれ消えるのだ。

また、労働が必要なのはマーケティングだけではない。経営においてもそうだ。社長不在で従業員だけに現場を任せていると確実に問題が起きる。理由はシンプルで、経営者と従業員の利益は度々相反するからだ。

簡単な話、社長は売上を伸ばしたいインセンティブがあるので、あれこれ施策を打ったりPDCAを回すが、往々にして安定性を求める従業員はこうした挑戦を面倒に感じるものである。これは従業員を批判しているわけではなく、立場の違いがインセンティブの違いになるだけで自分自身もそうだった。管理者や変革者不在になると、安定はするが売上は先細りしていく。やはり、現場から離れて経営に従事する役割は組織には絶対に必要なのである。