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こうした情報を含めて売上を算出し、純利益や従業員の給与の計算をするまでがCentsの役割である。

複数店舗を抱えている経営者の場合、各店舗の売り上げや稼働状況をCentsで一元管理できるというメリットもある。また、それまでは「コインランドリー」の文字通り現金決済が主流だった業界であったが、Centsの登場によりこの分野でもクレカ決済が基本形として定着しつつあるようだ。

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なお、上述の「洗濯機に設置するカードリーダー」だが、これはメーカー・年式・タイプを問わず簡単に後付できるとしている。それがどのような場合でも主張通りなのかはわかりかねるが、少なくともCents OSを導入するために専用の洗濯機を購入する必要はないそうだ。

シリーズBラウンドで4,000万ドル調達

そんなCentsは、今年8月に大金星を挙げた。Camber Creekが主導するシリーズB投資ラウンドで4,000万ドルの資金調達に成功したのだ。

投資家の顔触れを見てみよう。Bessemer Venture PartnersとTiger GlobalはCentsにとっての以前からの投資家だが、それ以外にはTech Pioneer Fund、RXR、Derive Ventures、Alumni Venturesなどが参加している(参照)。

今のところ、Centsは2,700以上の小売ランドリーと3,500以上の共同ランドリールームで導入されているという。これはアメリカ全体のコインランドリーの14分の1に相当する数である。キャッシュレス対応が遅れてきた分野において、それも含めて一気に近代化してくれるプラットフォームの登場は、世界の投資家も大いに注目しているようだ。

(文・澤田 真一)