②大統領と議会でねじれになると、法案可決は難しくなり、政府高官承認も滞ることになるだろう。

一方で、オールレッドになると法案可決はスムーズに進むかというとそうとも言い切れない。議席差がわずかだからだ。ここの分析はまた別途するとして、 ②大統領と議会でねじれを想定しつつ、ハリス陣営が発表した経済対策をみていく。

ハリスーワルツ陣営が発表した経済対策

ハリスーワルツ陣営は経済対策を発表した。詳細は「Vice President Harris Lays Out Agenda to Lower Costs for American Families」を確認下さい。

発表文をみながら、おおまかに私が翻訳したが、「★」をつけている部分は、議会での可決が必要となる。また、「☆」をつけたところは、既にバイデン政権が3月に発表した住宅コスト引き下げの計画発表※1)とほぼ同じか、それの拡大版といっていいだろう。

CRFBによると、10年間で1.7兆ドルの財政赤字が増加するとも試算※2)されているが、2025年度の大統領予算によく似ているとも書かれたくらい、既視感に満ちた内容だ。

立法を伴う政策が多く、共和党が多数党を支配したら、ハリス政権は何を実現できるのだろう?というのが率直な感想だ。

【1】 Lowering the Costs of Renting and Owning a Home

住宅供給不足を解消し、300万戸の新規住宅建設を実施するために、

★☆ 初めての住宅を購入する人たちのために住宅を建設する住宅メーカーに対し、史上初の税制優遇措置を設ける。手頃な住宅を建設、または改築するための新しい税額控除(Neighborhood Homes Tax Credit)の補強となる。

★ 手ごろな賃貸住宅を建設する企業に対して既存の優遇税制を強化。

★☆住宅不足に取り組む地方自治体を支援し、建設資金のために$400億の基金を設立。特定の連邦所有地を新たな住宅開発に再利用できる措置をとる。

住宅建設の認可プロセスや審査の合理化を進めることで建設コストを下げる。 【2】 Lowering the Rent for Hardworking Americans by Taking on Corporate and Major Landlords.