2000年あたりから緩やかに増加傾向が続いてきましたが、2021年から急激に増加しています。

当時は2兆円程度でしたが、2022年には23兆円、2023年も21兆円と大幅なプラスですね。

配当金・配分済支店収益(青)と再投資収益(赤)が概ね半分ずつといった内訳のようです。利子所得等は微小ですね。

直接投資による収益のうち、半分は日本の本社に戻し、半分は現地子会社に再投資(日本に還流しない)している事になります。

7. 日本の経常収支の特徴

今回は、日本のフロー面での海外との関係である経常収支についてご紹介しました。

日本の経常収支は基本的にプラスで推移しています。

2000年頃まではその大半を貿易収支が占めていましたが、近年では輸出と輸入がほぼ拮抗していて貿易収支はほぼゼロとなります。

その代わり、海外からの財産所得となる第一次所得収支が拡大しています。

第一次所得収支のうち、証券投資収益はアップダウンしながらも横ばいですが、直接投資収益は拡大傾向が続いています。

日本の経常収支の拡大を支えているのが直接投資による収益であることがわかりました。

また、その約半分は現地国への再投資となります。

日本は対外直接投資が超過していますので、基本的には直接投資収益がプラスで推移していて、更に拡大傾向となります。

日本はGDPが停滞してきましたが、国民所得(GNI)は拡大傾向となっています。

それが、経常収支による海外からの所得の拡大によるものとなるわけですね。

皆さんはどのように考えますか?

編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2024年8月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。