パリオリンピック2024のメダルPARiS 2024公式サイトより

五輪に限らずスポーツ大会、芸術のコンクールなどで地元有利は必ずある。原因としては、国や地元での強化策、種目選定、使用会場での事前の練習や情報漏洩、身びいきな判定、気候に慣れているなど、地元であるがゆえの生活条件の良さなど複合的なものだ。

個別の要素については、様々な指摘が正しいか客観的な評価は難しいので、私は前回大会との金メダル数の比較をしてみた。そうすると、ここ10回の夏季五輪では、ソウル:6→12、バルセロナ:1→13、アトランタ:37→44、アテネ:4→6、北京:32→48、ロンドン:19→29、リオ:3→7、東京:12→27、パリ:10→18だった。

このうち、バルセロナは当時のサラマンチ会長がやりたい放題やって強引に成績を上げた大会であった。それを別にすると、64年と21年の東京は突出している。

これは、冬の長野や札幌についてもいえるし、念のためにその次の五輪での落ち込みもこれまで極端だった。

数字は、64年東京:4→16→11、21年東京:12→27→20、札幌:0→1→0、長野:1→5→0だ。その意味で東京大会で27だったのがパリで20もとれたのは大健闘だ。これには、いつもと違って三年後だから余韻ありということもあるかもしれない。

この数字をみれば、原因がどこにあるかは別として、日本は五輪の時に極端に地元としての有利さを発揮しているし、フランスはそのようなことをあまりしていないことが明白で、日本人がフランス人をこの点で批判することはちょっと恥ずかしいことだ。

日本がほかの国に比べて地元有利になるのは、開催種目についてごり押しで日本が強いものを押し込んできたこと、日本の生活習慣が独特すぎて海外遠征では力を発揮できないこと、高温多湿の気候が特異で海外選手に不利なこと、それから「使用会場での事前の練習や情報漏洩」は正直なところありそうな話である。