海上の風力発電機を建てると魚が増えるかもしれません。
『The Virginian-Pilot』に紹介された内容によれば、海岸から40kmほど離れた場所に建設された風力発電機の基礎部分に、豊かな生態系が築かれていることが確認できた、とのことです。
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- 海上風力発電機の根元は人工の漁礁になっている
海上風力発電機の根元は人工の漁礁になっている
アメリカ東海岸のバージニアビーチから40kmほど離れた場所には現在、2基の海上風力発電機が建設されています。
風力発電機は巨大であり、水面からの高さは180m以上、水中にあるスチール製の基礎部分も40m近くに及びます。
風力発電機の運用は去年の10月から開始されており、監視用に水上及び水中には監視カメラが設置されました。
ですが監視がはじまってから6カ月後、水中カメラに映る景色は劇的に変化していました。
水中にある風力発電機の基礎部分は一面が藻で覆われ、ムール貝などの貝も張り付いており、周囲にはシイラ・シーバスなど多くの魚のたまり場にもなっていました。
このような豊かな生態系が築かれた要因は、風力発電機の基礎部分の構造にありました。
水中に伸びる基礎の表面は多くの窪みがあり、また根元部分は水流からの保護のために護岸などのために置かれる大きな石(テトラポッドのようなもの)が敷き詰められていました。
これら複雑な構造が、海流の流れを緩やかなものとすると同時に、海洋生物の住処としても機能し、漁礁として機能するようになっていたのです。
同様の意図しない漁礁化は、他の海上構造物でも起きています。