スペクトル重心、ゼロ交差率、メル周波数ケプストラム係数(MFCC)は、音の特徴を数値的に捉えるための重要な指標です。
これらの指標に違いがない場合、その音の種類は非常に似ている、または同じものであるとみなされやすくなります。
しかし研究者たちが新たにクロマベクトルと呼ばれる音の特徴を調べたところ、熱い水と冷たい水の間に有意な差がみられることが明らかになりました。
音の調性(音楽的な高さや和音)を分析するための音響特徴の一つです。
クロマベクトルを調べることで、特定の音の周波数成分がどの音階(C、C♯、Dなど)の音を強く含んでいるかを知ることができます。
この結果は、AIも人間も水の複雑な音を和音として処理し、そのなかで目立つ音階と温度の関係を結び付けている可能性を示します。
研究者たちは視覚や聴覚と違い、温度を処理する脳領域が脳全体に広がっていることが何らかの役割を果たしている可能性があると述べています。
また今回の研究は、人間は多種類の感覚を統合する能力が、想定していたよりも優れている可能性を示しています。
もしかしたら私たちが気付いていないだけで、視覚を聞いたり温度をみたりする能力が人間にも存在するのかもしれません。
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参考文献
‘Hearing’ Temperature: Uncovering a hidden human ability to perceive temperature through sound
https://www.eurekalert.org/news-releases/1054016
元論文
Hearing temperatures: employing machine learning for elucidating the cross-modal perception of thermal properties through audition
https://doi.org/10.3389/fpsyg.2024.1353490